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2024-04-04

売るか貸すかの判断〜マンション編〜


お持ちの物件を売却検討する場合、今すぐ売らないという選択肢も当然あるはずです。売却せずに賃貸して家賃収入を得るということも不動産運用のひとつの方法です。

売却と賃貸の判断をする基準について掘り下げていくのが今回の目的です。

結論としては、ローンがない場合の例では、27年以降で賃貸が売却益を上回り、5年前に購入した物件でローンがある場合だと、分岐点は72年という結果でした。

詳細は以下の通りです。

まず、前回のメールでも触れましたが2012年以降の東京の不動産価格は大きく上昇しました。一方、売買相場の上昇に対して、家賃相場も上昇しましたが、売買相場と比例するほどには上がらないのが日本の住宅賃貸市場の特徴です。

今の世田谷の賃料と売買相場は、概ね利回りに換算して3.5%〜4.0%程度となっています(賃料が月額25万円の物件の売買価格換算は7,500万円〜8,570万)。

仮に3.7%として(約8100万円)、税金や経費を考慮しないシュミレーションでは、売却額が賃貸収入を超えてくるのは27年以降となります。仮に諸経費率10%、所得税20%として、経費を加味すれば、35年以降でやっと売却金額を超える計算になってきます。

一時賃貸に出して、将来のお子様用にと残しておく選択などもいいですが、利益優先の前提では賃貸は先の長いに話しになってきます。

また、多くの方は住宅ローンを組んでおり、ローンの返済まで考慮すれば、もっと期間がかかることになります。

仮に、5年前に購入したマンションで例にしてみましょう。

2018年に6,600万円で購入したマンションは、6年後の現在は8,500万円まで価格上昇しています。
※国土交通省から発表される統計情報をもとにしています。
※2024年現在

まず賃貸した場合ですが、

期間35年、金利0.5%、借入れ価格6,600万円でローンを組んだ場合の毎月返済額は17.2万円。

管理費・修繕積立金が月額3万円、固定資産税が年額12万円、月額25万円で賃貸した場合の年間の税引前手残り額は45.6万円で、税率20%として約36万円(実際には減価償却があるので、もう少し手残りは多くなります)。

では、売却する場合は、

2023年11月時点でのローン残債は5,580万円で、8,500万円で売却できたとします。

差し引くものとして、まず譲渡益は約1,900万円ですが、居住用財産の3,000万円控除が利用できますので譲渡所得税はゼロ。

売却するのに仲介手数料が約288万円かかり、ローン残5580万円を一括返済した残りは、約2600万円です。

賃貸に出して毎年約36万円、売却したら2600万円となり、賃貸の利益が売却益を超えるには72年かかることになりました。

この結果をどう捉えるべきでしょうか。

まだ今後売買相場が上昇すると考えれば、今は賃貸に出して天井と思うタイミングで売却することも選択肢としてはありでしょう。

ただし、賃貸運用をすれば、住宅用家屋ではなくなってしまうので、3,000万円控除が利用できなくなるのでそれも考慮して決断する必要があります。

また、賃貸で入られた方がいつ出るかはわからず、売りたいときに空室になっているとは限りません。賃貸中のままで売却すれば、相場より安く売らなくてはなりません。

賃貸売買比較は、以上の結果になりました。参考になれば嬉しく思います。


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