toggle
2024-04-04

築30年の戸建ては価値0なのか?


不動産の査定方法はいくつかありますが、中古の戸建てを査定する場合に、原価法といって、建築年から建物工事費を想定して、経過年を差し引くという方法があります。

木造の場合は22年を経過していると、価値は0として評価されることがしばしばあります。

なぜ22年なのかについては、法定の耐用年数がそうだと決まっているからなのですが、果たして築後22年を経過した木造建物は価値は0なのでしょうか。

不動産流通を20年以上経験していて言えることは、建物の価値はどれだけ古くても買主様が決めるということです。

30年経っていたとしても、例え和室が広くて田舎の実家みたいだと大勢の方が感じる建物であっても、それを活用できる人にとっては、それは宝であり、価値あるものです。

22年で価値がなくなる(正確には1割は残る)という考え方は、税務上の決まりとして、定められたルールでしかありません。

あるいは、更地にして売る方が、仲介業者にとって早く成約できて都合がいいというなら更に考えものです。誰のための資産売却なのかわかりません。

ただ古いからというだけで評価が下がるものではないですし、柱梁は30年どころで朽ちるものでもありません。

リフォームすれば価値は蘇りますし、そうせずとも古いものや設備にこそ、今では手に入れることのできないなにかが宿っているもので、そういった取引が当たり前になってくるといいなと思います。

古い建物だとしても、時間と手間をかけることで、相応の価値がされた取引ができるものだと思います。


関連記事