[物件写真の撮影] 一番効果的に写る時間帯・アングルで撮る そして印象に残る1枚も加えて
今更強調することでもないですが、物件の良さをPRするのに、写真は超重要ですね。不動産管理(PM)業は、大砲のような一発で大きく効果がある業務や策というのは少なく、鉄砲いやもっと地に足ついた刀でえいやっえいやっと地味に戦う業務や策が多いものです。
当たり前のことを当たり前に行うこと。あるいは、もっとよくならないのか、と状況ごとに疑問を繰り返すこと、この連続が、不動産管理業の質を上げ、結果委託物件の稼働が上がるものではないかと思っています。
さて、今回は物件写真の撮影方法についてです。住宅は、ほとんどの方が「明るい」部屋を好まれますね。東向き(東方向に大きな開口・バルコニーがある)の部屋はいつ撮影するのが最適でしょうか?
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東向き部屋は午前の早い時間に
それは当然午前中にというのは正しいのですが、東向きで1階の部屋だとどうでしょうか? 周りの建物の位置や高さにもよりますが、部屋の中に大きく朝日が差し込んでる様子を取るには、なるべく早い時間が望ましいです。なぜなら、日が登ってしまうと、それだけ部屋に入る光が少なくなってしまうからです。
次の写真は、1階の東向き(写真で左が東で掃き出し窓、正面が南側で腰窓※くもりガラス)の部屋ですが、冬の14時に撮影した写真です。悪くはないのですが、モヤッと明るい程度です。
次は、同じ部屋ですが、朝の8時に撮影した写真です。
2枚目の写真では、朝日が部屋の中に差し込んでいる様子が見て取れると思います。次に、違う角度の写真も見てみましょう。
次に、朝に撮影した写真です。
壁に向かって朝日が差し込んでいるのが躍動感が合って、生き生きとした写真になっていないでしょうか? その物件(部屋)が一番輝いて見える時間に撮影する。これだけで大分見違え、よく見せることができます。やれることは愚直にです。
どこに立って撮影するか?
次に、撮影する場所です。どこを写すか、ではなくて、どこから撮ったら部屋が広く見せれるかを考えることです。感覚的には、空間の隅に立って対角線方向を撮るのが広く見せられることは想像つくでしょう。部屋の中から窓側に向かう時はそれでよいのですが、部屋方向を撮る時、バルコニーに出て撮れば、撮影ポイントを引いて撮ることが出来ます。
この部屋は、奥行きが狭いために、部屋の隅から撮影すると半分まで壁が写ってしまいます。。これをバルコニーに出てサッシュが映らないギリギリのところで撮影したらどうなるでしょう。
見違えるようになったと思います。広角レンズを使えばもっと広く見せることができるでしょう。
[補足] 広角レンズとは、画角が標準レンズより広く撮影できるレンズのことをいいます。狭い部屋でも画角が広いレンズを使えば、撮影の範囲が上下左右に広がるため、よりたくさんの範囲を写すことができるレンズです。世の中の不動産写真のほとんどは、広角レンズを利用していますが、現実と離れすぎた広角レンズ利用は事実を曲げたものであり、内見したときにがっかりさせかねないので、使い方が大切です。
ユニットバス内は明るくして撮る
さて、次はお風呂場ですが、自然光が入りませんので明るく撮影しようとしても、自然環境ではどうしようもありません。
次の写真は、60W相当のLED電球が点いた状態で撮影しています。撮影後にPCで明るくしましたが、これが限界です。
次に、照明を100W相当のものに変更したのが次の写真です。照明の灯りの感じも不自然なくぼんやりと全体に広がる感じに撮れています。撮影後に少しだけ明るくしましたが、ほとんど撮影したままです。この方が清潔で明るいユニットバスに撮れていると思います。
心に残る1枚を…
こちらは蛇足ですが、全体感を写す写真とは別に、1枚だけその部屋の絵画のような部分を撮るようにしています。気持ちのいい写真というか、この部屋のここが好きだ、という1枚です。あくまでわたしの主観ですが。
この部屋は、東南の角部屋であることとアクセントクロスが売りです。そのアクセントクロスに朝日があたっている様子、これが一番の瞬間だとおさめたものです。キッチンも部屋の大きさも中途半端にしか写ってません。。でも、数度と見ているこの部屋の良さはここだ!という1枚がこころに刺さってくれたらな、と思いながら撮影します。
今日は、そろそろ決まってほしいと思っていた空室の写真(上に紹介したお部屋)を、クリーニングが仕上がったので撮り直しにいってきました。早く決めたい、という思いで、同じカットを何枚も撮り、事務所へ戻って撮った写真を見比べ、明るさを調整して、見比べを繰り返し……。ポータルサイトの写真を差し替えて、いざ申込よ!と気合を込めたところに、今週内見いただいた方から、この部屋で決めたい、と連絡をいただきました。思いが通じたのでしょうか。
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