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2020-02-05

空室が”囲い込み”状態になっていないか注意しましょう。


都内の大多数のオーナーさんは、一つの業者に専任で募集を任していると思います。または、募集に限らず管理と募集を一緒に頼んでいることが多いと思います。

空室が思うように決まらない時、専任業者で物件情報を囲い込みしてしまっている場合があるので、気をつけましょう。

”囲い込み”とは、オーナー様から専任で募集物件を預かっている業者が、一部の業者もしくはすべての業者に物件情報を共有せず(紹介させず)に、自社のみの独占商品として募集活動を行うことを言います。

通常、賃貸仲介取引には、オーナーから依頼を受けた物元(ブツモト)業者と、入居希望者に対して接客・案内をする客付け(キャクヅケ)業者の2者が介在して成約することが多いです。

上の図のように、客付け業者から物元業者に物件(空室)状況の確認をします。次に物元業者は、申込みが入っていなければ「紹介可能です」と答えます。次に、客付け業者は、見込み客(入居希望者)と一緒に物件内見をして、気に入ったら申込みという流れになります。

”囲い込み”とは、①の客付け業者からの問い合わせに対して、空いているのに「申込中です」というように断ってしまうことを言います。このようなことが起こってしまうのは、次のような理由が考えられます。

1)優良物件だから自社で決めたいという物元業者の目論見 
2)手数料ディスカウントしている業者には紹介させない

1)の理由は、手数料を両手で成約したいという目論見からです。

[補足] 通常、成約時に物元業者は、オーナーから成約報酬の手数料が入ります。都内では賃料1ヶ月分が相場であり、これを広告料と呼んでいます。物元業者が自社の見込み客で成約出来た場合は、仲介手数料1ヶ月分と広告料の合計2ヶ月分が、ひとつの取引で発生させることができます。取引当事者の双方から手数料をいただくので、これを”両手取引”といいます。

2)のケースは、例えばエイブルさんのような、仲介手数料が家賃の半額しか取らない業者から問い合わせが来た場合が考えられます。物元業者が管理会社としての役割だけでなく、自社で客付け体制も取っている場合(つまり、管理部門と客付け部門の両方の機能がある業者である場合)は、自社は1ヶ月分の仲介料を取るのに、エイブル・ミニミニさんでは、0.5ヶ月が正規手数料ではせっかくの自社商品が他社だと安売りされることになってしまいます。

純然たる管理だけを行う管理会社(PM会社)では、空室を成約することがゴールなので、客付け業者の手数料を理由に、紹介を拒むことが起きません。

1)のケースも2)のケースも、今なお頻繁に起こっていることですが、物件を預けるオーナーさんからすると、決まることが一番のはずです。介在する業者の都合で情報の流通が阻害されてしまっていることは、まだこの業界のモラルレベルが低い、と言わざるを得ません。

空室を早くに決めるためには、より早くより広くに情報を拡散して、手数を上げることが必須です。上記のことを防ぐことが、オーナー様にとって大切なことです。

このようなことを防ぐには、オーナーから物元業者(管理会社)へ、囲い込みは絶対行わないこと、ディスカウント型仲介業者へも情報を後悔すること、これを募集契約のときに条件につけておくことです。

また、なにより空室が3週間〜1ヶ月の間、決まらない場合はオーナーから物元業者へなぜ決まらないか?としつこく尋ねることが大切です。しつこく連絡が来れば「決めないとまずい」「管理契約が解除される」と思い、専任であっても緊張感をもたせることがとても重要です。

物件を預けるオーナーさんは、専任業者と、紳士的かつ毅然とした態度で要求するようにしましょう。

弊社は、プロパティ・マネジメントに徹した管理会社です。協力(仲介)業者とのパートナーシップ構築、入居者からのクレーム対応迅速化により、高稼働・解約防止のためのマネジメントを行います。


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