仲介手数料値引きできるか?③新築物件(売主:不動産業者、物件:戸建て)の場合
今回は、売主が宅建業者で、対象物件が新築戸建ての場合の手数料構造についてです。
引き続き、売主が宅建業者である場合を”業者売主”、不動産仲介業者を”仲介業者”と略して説明します。
これはどこが建てたかによって変わってきますので、下記のケースで分けて説明していきます。
ⅰ 大手不動産会社やハウスメーカーが売主(建主)の場合
仲介手数料がかからない場合がほとんどです。ちなみに大手不動産会社とは一般的に言われる大手7社である三井不動産㈱、三菱地所㈱、住友不動産㈱、野村不動産㈱、東急不動産㈱、東京建物㈱、㈱大京。大手ハウスメーカーでは大手8社で、三井ホーム・ヘーベルハウス・住友林業・積水ハウス・セキスイハイム・ダイワハウス・パナホーム・ミサワホームです。
売主が直接販売活動を行って、購入希望者と相対で取引しますので、仲介業者が介在しません、したがって手数料も発生しません。あるいは売主から販売代理というかたちで仲介業者が単独で依頼を受けていることもあります。この場合は代理の手数料という形で売主から仲介業者へ手数料が払われますから、やはり買主さんの手数料は発生しません。
上に挙げた大手の各社はよく言われる会社ですので、上記以外の中堅デベロッパーの新築戸建も仲介手数料はかからない場合がほとんどです。大手不動産会社・ハウスメーカーの分譲住宅のみ視野に入れている場合は、どの仲介業者で購入するか、は考えてなくいいわけです。
ⅱ いわゆるパワービルダーが売主(建主)の場合
この場合は、仲介業者によって手数料が変わります。新築の戸建てだけをメインに扱い、手数料ゼロにして戦っている業者さんもあります。供給量は、ⅰの大手系よりも多いです。suumoなどポータルサイトで検索して出てくる新築戸建てはこちらの可能性が高いです。
さてパワービルダーとは、低価格帯で大量に供給するデベロッパーのことで、一建設・飯田産業・タクトホーム・アーネストワン・アイディホーム・東栄住宅のことを言います。
デベロッパー業に専念していますから、直接販売することはなく、仲介業者が介在するケースがほとんど。そのため、買主さんに仲介手数料を請求できる取引ですが、仲介業者は売主からも手数料があるため、買主側からは取らないということがあります。これは前回記事と同じことです。
例外があるとすると、物件初公開から約3ヶ月の間のみ仲介業者が専任で決まっていて、手数料がかかる、というケースです。例にあげますと、パワービルダーAは仲介業者Bの仲介によって分譲予定地を仕入れました、ビルダーAは土地を区割りして戸建てを分譲しますが、販売開始3ヶ月間は仲介業者Bに専任期間を与え、仲介業者Bが販売活動するというケースです。不動産業界ではこういう形を取る場合が多く、その場合は仲介業者Bの専任状態ですので、買主さんから手数料を取るかどうかは業者次第ということです。検討物件が、手数料のかかるかからないより「早く購入したい」「とても気に入った」という程の物件でしたら、手数料にとらわれず購入を進めるべきでしょう。
ちなみに新築戸建てではなく、”建築条件付き土地”の場合も上の例と同じと考えていいですが、仲介手数料は土地に対してだけなので、新築戸建てに比べ仲介手数料は安くなりますね。
土地1,500万円、建物2,000万円 合計3,500万円とすると
・新築戸建ての場合は3,500万(※厳密にいえば税抜き価格)の3%+6万円
・建築条件付き土地の場合は1,500万円の3%+6万円となります。
また、条件付き土地の場合は、施工会社が決まっていますが、土地の価格を満額で購入すればその条件がはずせる時もあります。
次回(最終回)は、『手数料無料?新築マンション編』です。