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2020-04-17

不動産運用の鉄則


不動産の運用については相談する人によって全く意見が異なるためとても難解のことのように感じますが、実はいたってシンプルです。

不動産運用の鉄則は、「売らなくて良ければ売らない」ということです。しかし、こんなシンプルなことなのに、この鉄則通りの提案をしてくれる不動産業者は意外と少ないのが現状です。

それはなぜかというと、”売買”を専門とする不動産業者はどんな状況でも”売却”を勧めますし、”賃貸”を専門にする不動産業者は、”賃貸活用を否定することはないからです。

このことは私自身が、同じような事を経験してきたのでよくわかります。私は、土地活用の営業をしていた時期がありますが、アパートを建築しても需要が見込めないエリアであっても、アパート建築の提案をせざるを得ませんでした。

これは総合不動産業であっても同じことで、会社全体では、賃貸・売買・建築という不動産運用のすべてを網羅する企業であっても、担当は事業部によって異なるからです。

事業部ごとの目標があるため、相談の入り口がアパート活用であれば、アパート活用を否定することはないでしょう。

不動産業界は、相談業務で成り立っている組織(企業)がまったく存在しません。反対な言い方をすれば、相談業務で報酬を支払うマーケットではないという現状です。ユーザーは、仲介手数料や建築という、”業務”を依頼することの対価を払いますが、”コンサルティング=相談業務”で費用を負担するという市場ではないのです。

私は業界に20年弱在籍していますが、まともな相談業務で成り立っているのは、こちらの1社しかおりません。私が目標にしている企業様です。

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話がそれてしまいましたが、不動産運用の鉄則は、「売らなくて良いならば売らないこと」です。なぜなら、不動産の売却益は、その不動産を賃貸(誰かに貸す)した場合、10年〜15年賃料収入を得れば、売却益を超すからです。

すべてに通じる大原則が「売却せずに賃貸で収入を上げること」です。しかし、例外はあります。平たくいえば「特需」である状態です。

例えば、地上げで不動産業者があたり周辺を買い漁っている場合です。土地は、20坪や30坪・50坪程度の大きさより、100坪・300坪と規模が大きくなれば、開発利益単価が向上します。したがって、近隣一体を地上げされているタイミングに、譲ってほしいという交渉があれば、売却するのが賢明です。

その他、特需といえば、隣の人が土地を譲ってほしいという場合もそうです。「隣地は倍でも買え」と、少々言い過ぎの格言が不動産業業界にはあります。

地続きの人が買いたいと言ってきた場合は、相場より高く売れるチャンスです。他にも”特需”といえる場面はいくつかありますが、今しかないチャンスと言うときは、売却することが正しいです。

繰り返しますが、大原則は「売らずに賃貸」です。次に、運用方針を立てる手順としては、所有の不動産を ①収益を上げるもの ②売却するもの ③現状維持(何もしない)の土地 に分けることから始めます。

収益を上げる

基本的に、不動産は短期契約できるものほど、収益効率が高くなります。例えば、駐車場であれば、月極駐車場よりコインパーキングの方が高くなります。建物賃貸であれば、賃貸借契約より、一時貸し(ホテルや民泊)の方が単価が高くなります。

利便性の低い場所では、一時貸しの活用は難しいですが、大原則はこの通りです。

売却する

賃貸需要が低い=利便性が低い 不動産は、将来新しい交通インフラ(鉄道・道路)が出来る見込みがなければ、売却してしまうのが、収益だけの観点からみれば正しいことです。

利便性の低いものを、高いところに換えて(買い換えて)、賃貸運用すれば、所有不動産の収益効率を上げることが可能です。何もしないままほったらかしにしておくことは、期間の利益を失うことでありますから、運用の観点からは正解とは言えません。

現状維持

しかし、戦略的に「なにもしない土地」を確保しておくことは正解です。相続税は高まるばかりですが、納税用に更地を残してことは正しいことです。

少しだけ突っ込んだ言い方をすれば、更地は売却先によっても、景気によっても評価の上下が大きいですが、収益用の不動産は、利回りから評価が決まるため、戦略的な売却方針が立ちやすいとは思いますが。

しかし、くどいようですが更地で持っておくとは間違いではありません。

100人100通りの答え

以上、聞けばとても当たり前のことで幾分申し訳ない気持ちもあるのですが、なにせこの大原則すら実行できない不動産業者ばかりなので声高に書かせていただきました。なんとも残念な業界です。

この大原則をベースにして、相談者の年齡・資産背景・人生設計や幸福の軸について、組み合わせて答えを導きます。大原則通りに導いても、こうして出来上がった「答え」は、その方だけにマッチする最適解です。

逆な言い方をすれば、その人以外には当てはまらない「唯一の答え」です。不動産は同じものは2つとないこと、そして100人いれば100人の人生が違うことを考えれば当たり前のことです。

なので、私は『マンションは賃貸のままがいいですか? 購入したほうがいいですか? 買ったほうが、支払額は安くなるので買ったほうがいいです』というような、表面だけの質問と回答に、まったく意味がないと感じています。

私の場合、このような時、質問返しをしてしまう訳です…「あなたのご両親は家を所有していますか?あなたには兄弟がいますか?」という風にです。

まともな答えを導きたいと思ってのことなのですが、少々面倒な相談相手かもしれません、汗


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