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2020-03-12

案内が入らないときのチェックポイント 内見するためのハードルがないか?


賃料は適正に設定している、仲介業者への空室情報の共有もしている、それなのになかなか案内が入らない…。

もしかしたら、その物件を案内することにいくつかの障壁(ハードル)があるのかもしれません。障壁を限りなく少なくすることが、案内を多くしてもらうために最低限必要なことです。それでは、案内障壁とは一体どのようなことでしょうか。

案内させてもらえない

あってはならないことですが、物元業者が両手成約を狙うために、自社以外の仲介業者の案内を意図的に拒むことがあります。

それは、物元業者がオーナーの利益より自社の利益を優先した考えをする場合に起こり得ます。賃貸契約を1件決めると、オーナーから広告料(名目は様々)として、東京都内の場合約1ヶ月分の報酬が入ります。入居者を自社で見つけた場合は、借りる側から仲介手数料として1ヶ月分の報酬が入るので、1つの契約で双方から報酬が入ることになります。これを両手成約といいます。

自社の利益を優先する結果、他社経由の紹介を拒んでしまうと、募集する窓口は1社のみになってしまいます。その1社はポータルサイトの掲載をすれば、ユーザー(賃貸希望者)には情報が届きますが、その業者がathome、suumo、HOME’Sのすべてに登録しているとは限りません。また賃貸希望者の全員がathome、suumo、HOME’Sを利用するとも限りません。

公開範囲が広ければ広いほど、または紹介してくれる業者が多ければ多いほど、案内が入る確率は高まりますので、このような囲い込み(“抱え込み“とも言う)状態は、案内障壁が高い状態と言えます。案内障壁は限りなく低く、そして少なくしなければなりません。

[参考] 物件情報の“囲い込み“については、こちらの記事『空室が”囲い込み”状態になっていないか注意しましょう。』をあわせてご確認ください。

物件の鍵が現地にない

昔は、案内したいお部屋の鍵は物元業者の店舗へ伺って、鍵を受け取って案内し、内見が終わったらまた物元業者へ戻って鍵を返す、という流れが普通でした。現在は、鍵を現地に置いておくことや、スマートロックを利用した形が普通になってきています。

仮に、案内する時間が限られ、1件しか案内する時間がない。条件が似た2つの物件で案内を迷っているとしたら、営業マンは鍵取りではない、現地に鍵がある物件を選ぶでしょう。なぜなら賃貸仲介の営業マンは、効率こそ命だからです。

もしも募集を依頼している業者が、鍵取りの方法で運用しているとしたら、リーシング(空室を決める活動のこと)する姿勢を疑った方がいいかもしれません。これも案内障壁です。仲介店の営業さんが案内しやすい環境を整えておくことは、空室を預かる物元業者として必須の“配慮”です。

物元業者の定休日が“土日祝日”である

賃貸マンションの管理を受託すると、毎月の売上が安定するため、どの業態の不動産業者も管理を取りたがります。物元業者が土日祝日も営業しているとは限りません。例えば、建築会社内の不動産部門である場合や、投資用売買仲介がメインであり、日曜祝日が定休日としている場合もあります。老舗の不動産会社で土日定休のところもあります。

言うまでもなく、休日が一番物件が動くときですので、物元業者が休みであれば、案内することができません。仲介の営業さんは平日に案内準備を整えますが、土曜日に案内したお客さんを決めきれず、再度物件を探し直して案内するという流れはよくあります。したがって、土日祝日に案内ができない体制になっていることも案内障壁のひとつとなります。

一般媒介で複数社に募集を依頼している

案内したい物件が一般媒介で複数社に依頼されている場合、仲介店の営業さんは案内物件としては避けてしまうことがあります。その理由は、案内から申込までがスムーズにいかないことが多いからです。

案内したくても最新の空室状況がわからない。案内している間に、他社経由で決まってしまう可能性がある……などです。

賃貸仲介取引は、先着順で申込を受け付けるという暗黙のルールがあります。専任媒介の物件であれば、これから行く案内の最中は自分の案内だけであることが確約されますが、一般媒介の場合は他業者と案内が重なることがあります。あるいは、僅差で先を越されることもあります。

これでは、せっかくの案内も時間の無駄になってしまいます。“一般物件であること自体が、案内障壁になる”とまでは言いませんが、一般媒介物件は相対的にきちんと管理されている確率が低いです。これも、営業マンに内見を促すという視点では、案内障壁だと言えるでしょう。

[補足] 一般媒介の弱点については、『賃貸募集で一般媒介にすれば、募集間口は広がり空室対策になるのか?』も合わせてお読みください。

賃料設定が適正で、かつ案内障壁がなければ、必ず案内が入ります。数週間案内がまったくないという場合には、ここに書いたことをひとつずつ確認していきましょう。当たり前のことを当たり前にやること、これが不動産管理(運用)の鉄則です!

弊社は、プロパティ・マネジメントに徹した管理会社です。協力(仲介)業者とのパートナーシップ構築、入居者からのクレーム対応迅速化により、高稼働・解約防止のためのマネジメントを行います。


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