前回までに、買い替えの場合には、買い先行型のメリットをお伝えさせていただきましたが、反対にデメリットのひとつとしては、売却できるまでローンを二重に支払わなければならないことが挙げられます。
買い先行で進めなくとも、同時に見つかることがベストなので、その場合に生じる引渡し時の問題「引渡猶予」についてご紹介させていただきます。
一般的な、自宅売却と買い替え先購入の同時並行の流れは、
売却の目処が立ってきた→買い替え物件の購入契約→自宅の売却契約→自宅の引渡し(残金受け取り)→自宅住宅ローンの全額返済→買い替え物件の残代金支払い・引渡し
となるのですが、自宅を買っていただく方からすると、残代金を支払ったのだから、その日から鍵をもらって早めに引っ越しを済ませたいと思うはずです。
しかし、買い替えの売主様の場合は、売却の残代金を受け取って、ローンを返済してからでないと、次の購入先のローンが実行できません。
ということで、こういう場合は、売却物件の引き渡し時期に猶予期間を設けてもらうことで買い替えを実現する流れになります。
具体的には、自宅の売買代金を受け取った日から、買い替え先の残代金を支払って引っ越すまでの期間(例えば7日間)は、買主様に所有権は移したものの、もとの家に住まわせてもらう、という条件にして進めることなります。
これを”引渡猶予”と言いまして、買い替えの売主様の事情に合わせた特約を設けることで解消することになります。
売却と購入が同時並行でできれば、二重ローンの心配はないですね。
本日は、買い替えで成功するパターンを2つご紹介させていただきます。
1 「購入が先、売却が後」の順で進める
以前のメルマガでも触れましたが、売却を失敗にしてしまうパターンのひとつは、売り急いでしまうことです。
買い替えで、購入と売却を同時に進めると少なからずどちらかかを妥協することが多く、成功に導くことがなかなか難しくなります。
まずは住みたいと思える物件をじっくりと探して理想の家を見つけることです。
2012年前後以降は相場が上昇し続けていますので、ほとんどの方は現状の住まいよりもいい物件に住み替えることが可能です。
今の相場が続いている限りは、買い替えによって今よりステップアップできるのが一般的です。
2 「賃貸に引っ越してから売却開始」
売り相場は、反対には”購入するのは高い”ということであります。
上述のように、相場上昇期の買い替えは損はすることは少ないですが、安く買うことができません。
ですので、一時的に賃貸に住むというのも選択肢です。
ただ住宅を日々扱う者ですが、将来の相場を当てることは正直なところできません。。今高くても今後下がるとかどうかはわからないものです。
今後緩やかに金利は上がっていくのだと思いますが、不動産相場がそれを理由に減少トレンドになる相関関係は絶対ではありません。
世田谷区は今後も人気エリアであり続けますので、なおさらそう言えます。
なので、極論としては気に入った物件があれば、多少高くても購入すればよいと思います。
物件の売却は、すこしでも高く売る機会にしていただきたいと思いますが、購入物件は、損得ばかりに気を取られることなく、住みたいと思える物件を手に入れていただくのがよいと思います。
成功する買い替えのモデル2パターンというタイトルでしたが、共通点としては、急いで売らないこと。そのためには、まず購入もしくは賃貸で引っ越す先を決めてから売却を開始する。
ということになります。
売主様の置かれる状況に応じて、ベストアンサーは異なって参ります。もしもお悩みの場合はお気軽にご相談ください。
前回は買い替えの難しさについて触れましたが、買い替えやその他事情によっては不動産業者の「買い取り」で進めなければならない場合も少なからずあるかと思います。
そこで今回は、買い取りのメリット・デメリットについてお話します。
まずデメリットについてですが、それはすなわち価格が安くなってしまうことです。反対に安くなる以外のデメリットはあまりありません。
メリットについては、第一に「売却スケジュールが立つ」点です。
買ってもらえる方を探すステップがなくなりますので、いつ契約していつまでに残金が入るかが明確にできます。
次に「契約条件にローン特約がつかない」点です。
一般の方に売却する場合は、売買契約後に申請する住宅ローンの本審査がもしも承認されなかった場合に、買主保護のために白紙解約できる停止条件をつけることになります。(※本審査は売買契約締結後にしか行うことができないため)
つまりネガティブケースとしては、契約後に白紙になる恐れがあるということで、契約の確実性が担保されないことになります。
反対に業者買取であれば、”ローン特約をつけない”契約が通常ですので、残金を受け取れる時期が確実になります。
3つめは、「売却し終わってからの責任がない」点です。
一般の方に売却する場合は、引渡後3ヶ月は、売買完了前に判明していない不具合であっても売主が責任を負うことになりますが、業者買い取りの場合はこの責任を免責にする契約が商習慣となっています。
なお、この責任のことを”契約不適合責任”といいます。
4つめは、「近所に知られずに売却できる」点です。
売却活動は水面下で行いますので、引渡完了するまで近隣に知られずに売却することができます。
通常の売却方法であれば、ネットに掲載したり、チラシを撒くので、近隣の人に知られずに売却することは難しいですが、業者買取はこっそりと完結させることが可能です。
不動産の売却は、まずは高値売却を第一義とするのが望ましいですが、事情によっては”業者買取り”を選択することも一手段となります。
今は、相場が上がっていることもあり、以前より買い替えの相談がとても増えています。
物件を住宅ローンで購入される方が大多数であり、物件を同時に所有することはできないため、今所有しているマンションを売却してから、新しいマンションに移ることが一般的とされています。
したがって、買い替えの一番の難しいポイントは、売却と買い替え物件のタイミングを合わせること、契約を平行しなければならない点です。
物件を売却完了した後に、引渡猶予期間を設けて、その間に買い替え物件の決済をし引っ越しまで完了させる、という流れで進めることが一般的ですが、スケジュール的にも負担がありますし、第一に同じタイミングで売却先と買い替え物件を見つけること自体がとてもとてもハードルの高いことです。
年収が高く2物件所有しても返済比率が銀行から承認が得られる属性の方であれば大丈夫ですが、その例は極めて稀かと思います。
また、仮に購入物件が先に見つかったとしても、その物件を逃したくないために、売却物件を安く売らざるを得なくなってしまったり、買取業者に売却してしまうことなどはとてももったいないことです。
もしも「売却してからでないと、購入できない」と思っていたり、今売却を任せている担当者からそう言われているとしたら、それは黄色信号です。
ローンが残っていても、購入先行で進めることができる方法がありますので、先に買い替え先を購入して引っ越しができる目処が立った段階で、ゆっくりと販売活動することが可能です。
「買い替えは難しい」ことではなく、「理想の物件をじっくり探してから、焦らずベストな販売活動もできる」そんな方法があります。
もしも買い替えでお悩みの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。ベストなプランをご提案させていただきます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
居住中のまま売却する場合、買主候補の方が内見をしにいらっしゃいますが、オーナーとしてどのように振る舞うのがいいでしょうか。
仲介の担当者は、不動産取引のプロではありますが、実際にその物件に住むことに関しては、売主様にしかわからない情報があります。
例えば、朝は小鳥のさえずりが聞こえるとか、◯◯駅からワンメーターから帰れるなど、住んだ方でないと実感できないその物件の良さは売主様しかわからないものです。
ですから、通常内見が始まると買主候補の方が自由にご覧になりたいところから見始めますが、売主様はリビングで待つような例が多いと思います。
買主候補の方は物件を前向きに検討しているのであれば、少しの会話を望んでいらっしゃいますので、そのときにお伝えするのがベストです。
周辺環境のことに限らず、室内で便利な設備や風通しや日当たり、夏冬の寒暖状況などもいいと思います。
「冬でも昼間は暖房がいらないくらい暖かいんですよ」「夏はエアコンなしでも涼しいお部屋です」…etc
反対にすこし不便なところがあれば、正直にお伝えすれば、誠実さが伝わっていい場合もあります。
居住中で売却する場合は、内見者と適度な距離感を保ちつつ、状況に応じて積極的にお話してみるのがいいです。その意味では、仲介担当者と事前にすり合わせしておくことがとても大切です。
「まず案内してリビングに戻ってきたときに、物件の良さについて売主さんに振りますので、お話してください」という風にです。
あるいは、空室で販売する場合であれば、仲介担当者へポイントをお伝えしておくことが必須です。物件の真のPRポイントは、駅から◯分とかスペック面で表現されるものではなく、オーナー自身が一番知っている。
そう思って販売開始前に物件を見直しておく準備もしておくといいですね。
居住中の状態で売り出す場合、買主さんの内見のために予定を開けておく必要があります。一般的な家庭はやはり土日・祝日がお仕事休みの方が多いため、できれば週末は空けておきたいところです。
ですが、案内に備えるばかりにどこに出かけることもできず、せっかく空けておいたのに内見が入らない、、、と売却活動自体がストレスになっては、悪循環になってしまいます。
売却は成功させたいものの、それ以外が犠牲になってしまっては、、、と難しいところです。
更に、内見は急に決まるものなので、販売期間中はなかなか先のスケジュールを決めることが難しくなります。
そんな場合、土曜日だけはを空けておくのがよいでしょう。
理由は土曜日の方が日曜より内見が入りやすいからです。
不動産の取引は基本的に”先着”が優先されます(そうでない場合も多々あります)。買える方は一人だけ、他の方に買われてしまっては縁を逃してしまいます。本気度の高い買主さんは土曜日の午前中に内見されることが多いからです。
不動産会社は火曜・水曜休みが多いのですが、木曜に担当者の1週間が始まり、週末に内見が入るよう金曜までがんばって営業(集客)活動をします。
他より内見が遅れて物件を逃してしまってはせっかくのチャンスが台無しですから、やはり確度の高い案件は”土曜日の午前中”を鉄則としています。
買主さんとしても、仲介業者としても、まずは”土曜の午前”が第一義。ですので、土曜は空けておくのがよいでしょう。