360°カメラはユーザーにとって何がメリットなのか?
不動産管理会社として、空室の室内写真撮影はとても重要な仕事です。物件の印象を良く伝えるためには、撮影する角度、高さ、明るさなど気をつける点がたくさんあります。
最近では、VR(バーチャル・リアリティ)型内見が開始されていますが、果たして360°カメラはユーザー(賃貸入居希望者)にとって効果の高いものになりうるかを考えてみます。
現在、VRコンテンツ(360°画像)を作成するには、RICOHのTHETAがよく活用されています。THETAによって撮影されたパノラマ写真は、suumoやHOME’Sなどの主要サイトでは掲載できるようになっています。ユーザーにとって、メリットがあるのでしょうか?
賃貸入居希望者の検討フローから考えてみます。
①ポータルサイトで対象物件を絞る
②絞られた物件一覧から、気になる物件の写真を確認する
③実際に見たい物件を数件に絞って内見する
ユーザーは必ず室内写真を確認してからでないと、問い合わせするところまではたどり着きません。まだまだ360°カメラで撮影された画像(以下、パノラマ画像といいます)を掲載している物件は少なく、都内の物件でも10%前後といったところだと思います。
管理側は実際よりよく写真を撮りたい。ユーザーは事実を知りたい。
管理会社からすると、物件写真とはより良く見せるたいという視点で撮影しますが、ユーザーにとっては正確さこそ重要なのではないかいと思います。しばしば広角レンズは、室内を広く見せられるため、利用されることが多いですが、まれに広角の画角が広すぎるレンズを使って撮影されたものを見受けます。
画角が広いとは、撮影できる範囲が広がるため、人間で言うと視野が広い範囲で撮影できます。超広告レンズは実際よりも広く見せられるため、実際より良く移してしまう傾向があります。
その点、パノラマ画像は、ごまかせない画像になります。実際の360°カメラの利用の仕方は、部屋の中心において撮影するため、部屋の真ん中に立った感覚で四方どの角度も見渡すことができるものになります。
したがって、360°カメラのユーザーにとってのメリットのひとつは、恣意的によく撮影された画像ではなく、より現実に近い室内状況を確認できるという点が評価できるものだと思います。
内見する前のイメージと実物が違えばその時間コストは誰が払う?
2つの視点は、時間的利益です。賃貸希望者にとって、よりたくさんの物件が比較検討できればいいですが、引っ越しにかかわるストレスを減らすためには、内見回数は少なければ少ないほどユーザーメリットは高いことになります。
実際に内見して、イメージと違えば別物件を検討せざるを得ません。ポータルサイト上で確認できる写真の枚数には制限があります。人によって気になるポイントは異なるものです。
「キッチンスペースにウォーターサーバーが置けるか?」
「廊下にゴルフバッグを置きたいから幅広めがいい」etc
このような人それぞれ気になるポイントが違うため、想定する箇所をすべて撮影することは困難ですし、もっとも写真掲載数に限りがあります。その点360°カメラであれば、すべての室内箇所(玄関・廊下・トイレ・お風呂・ダイニング・キッチン・寝室…etc)を撮影することができます。
廊下のここの角度を確認したかった、とかキッチンのここの広さが確認したかった、という細かい要望にも応えられるため、内見してみたらイメージと違った、という時間の無駄を限りなく避けることができると思います。
結論としては、パノラマ画像はユーザーにとって、賃貸内見の時間ロスを限りなく減らすことのできる、有効な材料であると言えます。
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