賃料設定のポイント! より多く・より早く、人の目に止まるかという視点で設定する
空室を早期に決めるためには、競合物件の賃料を把握して、適切な賃料を把握することがまず大切です。次にいかに多くの目に触れられるか、という視点で賃料・共益費を設定することです。
ポータルサイトでは”共益費込み”設定で検索される
入居希望者の方にとって、賃料も共益費(管理費という場合もある)も同じにかかる毎月の負担なので、あまりそれぞれの額について気にしている人は少ないかと思います。したがって、suumoなどの賃貸ポータルサイトで検索するときは、「賃料共益費込みで○万円」という検索の仕方をされます。
[補足]賃貸ポータルサイトとは、3大メジャーサイト(suumo、home’s、athome)が有名です。いずれのサイトも「共益費込み」で検索することができるようになっています。
もう一つの大事な共通点があり、いずれのサイトも5千円刻みに賃料設定が行えるという点です。
検索される方の、希望エリア[駅]・駅からの距離[徒歩分数]・賃料・築年数・タイプ(マンション/アパート)などは最低設定する項目です。
ここで大切なことは、募集物件の賃料設定を5千円刻み[例、7.5万・8.0万]にするか、1,000円だけやすい価格設定[例、7.4万・7.9万]にすることです。基本的に、今のようにインターネットが普及した今、掘り出し物件(≒賃料が極端に安い物件)はめったに転がっていないものです。
賃料が高い物件は他より秀でているし、安いにもやはり理由があります。すると、一番理にかなった探し方とは、賃料の高い順に検索物件を並べ替えするようになるということです。
賃料を高い順に並べ替えした場合、0.5万円刻みにすれば最初の方に目に触れる機会が増えることになります。2020年2月6日現在、下記の条件で検索した各ポータルサイトの検索結果は、suumo:168件、home’s:85件、athome:134件です。
[検索条件]東急目黒線「武蔵小山」駅から徒歩10分以内・マンション・20平米以上・賃料(共益費込)8万円以内
○.0万円もしくは○.5万円、それかお得感をもたせた○.9万円もしくは○.4万円という設定が望ましいです。こうすることで、多くのユーザーの検索画面に表示されることになります。
本来、共益費とは、共用部の電気代・共用設備の法定点検費用・定期清掃の費用を戸数(面積割)にして設定しますが、入居者する側にすればあまり気にするところではないでしょう。よく共益費無料にして、すべて賃料に含んだ設定をしている物件がありますが、厳しい入居者からは恣意的に仲介手数料をあげている、と思われることくらいではないでしょうか。
当社では、リーシングの観点から最適な共益費の設定は、エレベーターの有無に関係なく5千円だろうと思っています。
[リーシング]空室物件を早期に決めるための、すべての活動をリーシング業務と言います。
レインズでは”共益費込み”設定ができない
次にユーザーでなく、仲介業者(営業マン)の目にとまるかという視点ですが、基本的にはこれまで話してきたことと同じになります。
業者の物件探しは、99%レインズに頼っています。営業マンが見込み客にいい物件情報を探す時、やはり賃料が高い順に並び替えて検索します。先程も話したように、物件毎の賃料差は収束していて、予算内の物件を探すとき、より優良な物件を見つけるには、賃料の高い順で探すことが効率がいいからです。
[レインズ] Real Estate Information Network System の略で、不動産業者が利用できる、不動産物件情報の交換のためのウェブシステムのことです。仲介業者は、賃貸物件を探す時、売買物件を探す時はこのシステムにログインし、他業者が保有している物件情報を探すことができます。
しかし、このレインズはユーザーサイト(suumoなど)と違って、「共益費込み」の検索設定ができません。具体的にいうと、8万円の上限賃料で検索をかけると、賃料8万円と共益費1万円で合計9万円の物件も引っかかってしまうことです。
例えば、この上の検索結果を見てみます。①と②の物件スペックには、大きな差はありません。
① 駅徒歩6分・平成4年築マンション・24.22㎡・賃料(共益費込み)8万円
② 駅徒歩4分・平成10年築マンション・20.90㎡・賃料(共益費込み)8.1万円
しかし、8万円共益費なしにした方が、営業マンの目に多く、早く触れることになります。仲介営業マンは日々慌ただしくしているので、もしかしたら①の物件でいいと思ったら、それ以上下にスクロールしないかもしれません。
さらに言えば、②の8.1万円という1,000円だけ端数より高い賃料設定は、どの媒体でも検索順位が下の方になってしまいます。ユーザーサイトでは、設定が賃料(共益費込)8万円の場合対象外になってしまうし、8.5万円以内では8.4、8.3、8.2と下がっていったあとにしか表示されないことになってしまいます。
ちなみに、共益費5千円設定にすれば、共益費込み設定のユーザーサイトでも、共益費込み設定がないレインズでも、上位表示を期待することが可能です。賃料7.5万円・共益費5千円の設定にすれば、共益費込み8万でも7.5万でも検索にかかりますし、共益費検索設定のないレインズでは7.5万ならトップ表示、8万円設定でも早くに目に触れられる条件設定であると言えます。
このようにユーザー(賃貸希望者)と仲介営業マンの両方の目に止まる条件設定をすることが、空室の早期成約に必須のポイントとなります。
弊社は、プロパティ・マネジメントに徹した管理会社です。協力(仲介)業者とのパートナーシップ構築、入居者からのクレーム対応迅速化により、高稼働・解約防止のためのマネジメントを行います。