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2020-05-11

[新型コロナ支援策]固定資産税の軽減・免除・納税猶予について解説


こんにちは。不動産の顧問業をしております、宅建士の田実です。

ブログで新型コロナウィルスの支援策について、数日にわたって解説しています。今回は、固定資産税の軽減などについて、5月8日に正式に明らかとなりましたので、まとめていきたいと思います。宜しくお願いいたします。

対象者

まず対象者が限られており、この支援策を受けられるのは、大企業および中堅企業は除かれており「中小企業」と「小規模事業者」となっております。では、中小企業・小企業事業者の定義とは何でしょうか?

こちらの定義は”中小企業基本法”で定められていました。

中小企業者の定義

業種分類中小企業基本法の定義
製造業その他資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または従業員300人以下の会社および個人
卸売業資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社または従業員100人以下の会社および個人
小売業資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または従業員50人以下の会社および個人
サービス業資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または従業員100人以下の会社および個人

引用:中小企業庁 中小企業者の定義
https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

ただし、上記にあげた定義は「原則」であるようです。数値が近い場合は個別に問い合わせする必要がありそうです。

なお、小規模企業者の定義もありますが、中小企業者以下でありますから説明は割愛します。ところで、よく「事業主=法人」だと勘違いしている方がいらっしゃいますが、事業主(事業者)とは、事業を行っていることのみを対象にしているため、法人・個人の差はありません。

したがって、個人で事業を行っている人(個人事業主)も事業者でありますし、個人名義でマンション経営をしている方も事業者にあたります。つまり、個人のマンション経営者さんも、本支援策を適用することが可能です。

土地の固定資産税・都市計画税

2020年度(2020年4月に届いた納税通知書)

固定資産税および都市計画税の「納税猶予」を受けることができます。具体的には、2020年度納税分を、2021年度に納税を遅らせることができます。あくまで納税する時期を遅らせることが可能であるのみです。

納税猶予の要件

2020年2月〜納付期限までの任意の1ヶ月以上の収入が前年同期比概ね20%以上減少していること

2021年度(2021年4月に届く納税通知書)

特例はなにもありません。通常通り、納期までに納税が必要。

建物の固定資産税・都市計画税

2020年度(2020年4月に届いた納税通知書)

土地2020年度と同じ(2021年度に納税猶予可能)

納税猶予の要件

上記土地の場合と同じ

2021年度(2021年4月に届く納税通知書)

軽減もしくは免除となります。

軽減もしくは免除の要件

2020年の2月〜10月までの任意の連続する3ヶ月の事業収入が対前年減少率
◇50%以上減少⇒免除(納税ゼロ) ◇30%以上50%未満⇒軽減(1/2)

さいごに

不動産投資を行っている方の場合は、テナントが店舗や事務所の場合は該当する可能性が高まるかと思います。

政府の意図としては、固定資産税を減免することで、賃貸人が賃借人からの減賃交渉に応じてやすい環境を整えたという格好になろうかと思います。

もちろん減賃交渉に応じるかそうでないかは、個別事案によって異なってまいりますので、賃借人とのこれまでの関係性や将来のことを踏まえ、対応を考えることが基本となって参ります。

▼参考記事 2020.5.8 新型コロナウィルス感染症の影響による休業を理由とした「テナント賃料(免除・減額・支払い猶予)」に関する法的解釈について
https://tajitsuoffice.co.jp/4103/

▼参考記事 2020.5.9 [新型コロナ対策]賃借人が利用できる東京都(および国)の支援策 | 田実宅建士事務所
https://tajitsuoffice.co.jp/4113/


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