賃貸管理を因数分解する
賃貸管理とは、地道なことの繰り返しではないかと思っています。ウルトラCの斬新なアイデアが見つかることは少なく、日頃行っている管理業務について、「常に分析し、仮説を立て実行し、結果を検証し次の行動を修正する」これの連続ではないかと思っています。
賃貸管理をいくつかの要素に分解していくと、募集活動・入居者対応・建物維持管理の三つに分けられます。
賃貸管理業務=【募集活動】×【入居者対応】×【建物維持管理】
目次
1 募集活動の因数分解
募集活動はこのように因数分解します。
【募集・広告準備】×【広告活動】×【注力する要素への配分強化】
募集・広告準備とは?
写真撮影・募集図面作成・物件 PR ポイントの整理・競合物件把握・賃料設定などです。
これらについて毎回同じ募集策を繰り返すのではなく、空室が出る度にアップデートしていくことがなにより大切です。写真撮影で言えば、最近のトレンドは360度カメラです。次の時代の“当たり前”を見据え、取り入れていくことが大切だと思います。
広告活動とは?
ポータルサイトへの掲載・業者間レインズ登録・業者訪問・業者へのアナウンスなどです。
これらについて単に登録をするだけでなく、広告を見た人が行動に移してもらうためにはどうすればいいか? と疑問を持ちながら工夫することが大切です。
3 注力する要素への配分
配分とは、広告活動の中で特に力を入れて働きかけることを言います。例えば、該当物件を過去に成約してくれた仲介業者とのリレーションを高めることです。
何をすればその仲介業者が、こちらの物件を優先してくれるのかについて分析し、実行することです。
2 入居者対応
おもに契約期間中に発生する対入居者や対近隣住民への対応業務です。
入居者対応業務は、このように分解できます。
入居者対応業務=【要望対応】×【家賃管理】×【契約管理】
要望対応とは?
入居者の方から上がる要望に対する業務です。設備故障に対するものが一番多いです。小さな不満が、住まう上で大きなストレスになりますので、可及的速やかに対応することが大切です。
家賃管理とは?
賃料・更新料の入金管理です。大切なことは、一日でも遅れたら連絡することです。しかし、一日遅れたからと言って、”督促”するのではなく、“入金がなかったことへの確認”の連絡という程度にすることが重要です。
契約管理とは?
更新契約書の締結・ 退去時の敷金精算などです。
更新時に、保険の更新について確認すること・勤務先の確認・連帯保証人の連絡先などに変更がないか? などについて更新時に確認しておくことが大切です。
3 建物維持管理
建物維持管理は、このように因数分解します。
【定期清掃】×【法定点検】×【原状回復工事】×【長期修繕工事】
これらの項目について、コストを抑えながらクオリティを維持する方法を模索し続けることが大切です。このような業務は、専門業者へ外注することになりますが、実際に作業する方と話ができるようにしておき、直接要望を出せる関係になっておくことが重要です。
例えば、清掃であれば、金属部分はもっと光るように工夫できないか? と相談を直接することです。作業していただく方が報酬面含め、気持ちよく仕事を請け負ってもらえる環境を作ることが、マネジメント会社の意識として大切です。
まとめ
このように項目はいたってシンプルですがそれぞれについて毎回これでよいのか?と疑問を持って、改善を重ねることが大切ではないかと思います。
細部にこだわることが、“賃貸物件の差別化”のために行うべき唯一の手段だと思います。
弊社は、プロパティ・マネジメントに徹した管理会社です。協力(仲介)業者とのパートナーシップ構築、入居者からのクレーム対応迅速化により、高稼働・解約防止のためのマネジメントを行います。