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2020-04-13

賃借人の残置物を勝手に処分してはだめ 自力救済とは?


自力救済とは?

自力救済とは、法の手続き(裁判)をせずに、相手方の承諾なく、自分の利益を守るために行う行為のことです。

(参考:自力救済 wikipedia) 何らかの権利を侵害されたものが、司法手続きによらず実力を持って権利回復を果たすことを言う。

自力救済は、現代の民事法では例外を除いて禁止されています。たとえ契約書で事前に明記してあっても、許されません。

賃貸借契約における自力救済の場面とは

借主が家賃を払わないので、部屋に入れないように鍵を交換した・賃貸借契約は終了したのに、借主の生活道具全部が室内に残っているので、借主の承諾なく処分した・滞納している入居者に連絡がつかないから、玄関ドアに滞納の事実を張り紙した…etc

これらは「借主が契約上の取り決めを守らなかったのだからやって当然だ」と思ってはいけません。契約内容に違反する行為を相手方がしていたとしても、必ず司法手続きを経た上で行わなければなりません。

特約は有効でないのか?

特約は抑止力のためにという程度のものと言っていいでしょう。特約で結んでいるから自力救済が許される、ということでは決してありません。

例えば、このように特約を締結していても、法律上は自力救済は許されません。

『・・・明け渡しが出来ない時は室内の遺留品は放棄されたものとし、賃貸人は、保証人又は取引業者立会いの上水遺留品を売却処分の上、債務に充当しても異議ありません』

回避方法は?

契約前に、自力救済を回避するための取り決めを結ぶことはとても難しいと言えます。したがって、起こってしまったときに対応するしかないというのが現状です。

1 書面を取り交わす

退去時に、「万が一残置したものがある時は、所有権放棄しますので、廃棄など処分していただきますようお願い申し上げます」という内容の書面を取り交わす。契約時に書面を取り交わししておいても、後で損害賠償を相手方から起こされてしまえば、裁判所は「自力救済と言わざるを得ない」と判断される可能性が高いです 。

2 連帯保証人への委任状を取り交わす

「残置物処分すること」について、入居者(契約者)から連帯保証人へ委任する旨の委任状を取り、連帯保証人から承諾を取る。

必ず弁護士に相談の上進めてください!

ここで書いたことは一般的な解釈を記載したものであり、内容について当社で責任を取るものではありません。必ず弁護士の方に相談の上、対応するようにお願いいたします。

弊社は、プロパティ・マネジメントに徹した管理会社です。協力(仲介)業者とのパートナーシップ構築、入居者からのクレーム対応迅速化により、高稼働・解約防止のためのマネジメントを行います。


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