賃貸管理会社の業務について③入居者対応編
今回は管理会社の業務紹介、入居者対応編です。前回は入金管理編、前々回は募集業務編でした。
入居者さんから管理会社に対する不満のトップは、管理会社の対応が遅いことです。また、オーナー様の管理会社に対する不満は、1位が”入居付けが弱い”こと、そして2位が”対応が遅いこと”になっています。
入居者対応は”即対応”が必須
賃貸管理をしていると様々な対応要望が入居者さんから来ます。
排水管の流れが悪い、トイレが詰まった、洗濯機用の水栓から水が垂れる、というような排水・給水に関わるもの。上階の人の足音がうるさい、というような騒音系クレーム。自転車置き場の利用の仕方が悪い、ゴミの分別ができていないというような共用部におけるものなど、実に多くの要望が寄せられます。
入居者対応のスピードは、早ければ早いほどいいことは言うまでもありません。当社では、対応を受け付けてから早くに状況を確認して、いつ実施できるかの日程調整までの連絡を1日ないしは翌日までに済ませるようにしています。
対応が後手になってしまう管理会社の多くは、現場確認に時間を取られているのではないかと思います。現地に行って現場確認するのにまず日程調整して、という風では解決までの道のりが長すぎてしまいます。
経験上、多くの入居者要望は、動画や写真を送ってもらうことで、その場で対応方針を決めることができます。
当社では、対応スピードを上げるために、まず不具合が起きている事象について、画像もしくは動画で送ってもらうようにしています。そうすることで、現地に行って確認するという工程を省くことができます。
例えば、洗濯機用の水栓から水がポタポタ落ちるから直してほしいという要望に対して、その部分を画像で撮って送ってもらうようにお願いします。すると、部品交換が必要であることがわかれば、要望があったその直後に、部品発注まですることができます。
上の画像のように送ってもらえば、部品交換しか方法がないとわかります。これを現地に行って確認して、部品発注して、納品されて、また取り付けに行って……としていては、時間がいくらあっても足りないでしょう。
特に、入居者の方の在宅時間に合わせる工程回数を増やすと、みるみると後手に回ってしまうので、当社ではこれを最大限減らす努力をしています。結果、対応が早くなればいいことだと思いますので。
また、当社は入居者対応はすべて私一人で行うので、オーナー様以外に判断を仰ぐ必要がありません。したがって、即断即決して進めていくことが可能です。上司に確認してからでないと何も決められない、ということでは、また余計な工数が増えてしまいます。
管理されたマンションである形跡を残す
管理されていることの形跡を残すことで、入居者の方に一定の緊張感を持ってもらうことも大切です。つまり、このマンションはきちんと管理されている、という意識を感じられるようにすることです。
例えば、共用部の電球です。もしも電球が切れてから何週間も交換されないままでは、管理が行き届いてないと感じさせてしまいます。管理されている=監視されている、という注意の目が光っていることが大切です。
したがって、速やかに電球交換することは、電球交換というひとつの対応だけに限らず、広い意味で大切だと思います。
また、まめにインフォメーションを発信することも大切だと思っています。「○月○日△時〜△時の間、エレベーターの法定点検を行います。」や「○月○日△時〜△時に、消防設備点検を行いますので、ご在宅をお願いします」などの、メンテナンスインフォメーションをすることで管理が行き届いたマンションだということを、感じてもらうことも重要です。繰り返しになりますが、入居者さんの意識の中で”管理されたマンションだ”と認識してもらい、ルールに反することは許されない、という緊張感を持ってもらうための工夫が重要です。
起こった事柄に的確な対応を検討する
以前に入居者の方から、テラスに出るための掃き出し窓にヒビが入っているので直してほしいという要望を受けました。特別入居者の方からは細かい説明はありませんでしたが、こちらからいつ起こったのかを確認していくと、台風が通過した夜間に生じたものであることがわかりました。
台風の風で物が飛んでぶつかって生じたヒビであることがわかりました。したがって、オーナー様の入る建物損害保険の利用を手配し、保険利用により修理を行うことになりました。
起こった事柄を正確に把握して、対応を検討することで利用できる保険があります。”壊れているのでハイ直します”ではなく、原因を細かく確認してベストな対応を検討することは、管理会社の基本的事項だと思います。
入居者対応が早いことは、入居者の方からすると当然のことでしょう。反対に、遅いと不満が大きくなるものです。細かい不満が積み重なると、更新のときに別なマンションに引っ越そうというきっかけを与えてしまうことになります。
解約を防ぐことは、高稼働の必須条件ですので、安定経営のための”対応スピード化”は、物件管理マネジメントの肝だと思います。
弊社は、プロパティ・マネジメントに徹した管理会社です。協力(仲介)業者とのパートナーシップ構築、入居者からのクレーム対応迅速化により、高稼働・解約防止のためのマネジメントを行います。