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2024-04-04

価格上昇は築浅だけ?〜世田谷区中古マンション編〜


中古マンション価格は、2012年以降上がり続けていることはこれまでのメールでもお伝えしてきました。

今回は、世田谷区内のマンション価格上昇率2012年比(2012年当時と現在の坪単価上昇率比較)について、築年数別で調べてみましたので、ご参考にしていただけたら嬉しく思います。

一般的なマンションを想定し、専有面積は40㎡〜100㎡の取引に限定しています。なお、統計データは国土交通省から4半期ごとに発表される不動産の取引価格情報提供制度「土地総合情報システム」を利用しています。

※2023年12月時点の統計情報を基にします。

築年数を下記3区分に分類しました。

ひとつめは、いわゆる旧耐震物件で1982年築までの築41年以上のマンション-①
次は、1983年〜2002年までに建築された築40年から築21年まで-②
最後は、2003年〜2023年までの築20年以内-③ です。

2012年から現在までの価格上昇率は、

①が、48.3%(坪単価155万から230万へ上昇)
②が、44.0%(〃211万から304万〃)
③が、49.7%(〃249万から373万〃)

という結果になり、築年数に関わらず上昇してきたことがわかります。”旧耐震”だから価格が上昇していないことはないようです。

これは近年のリノベーションブームが影響しているのではないかと思います。リノベーションが普及する前、住宅改装を”リフォーム”としか呼んでいない時代は、リフォームローンは7年程度の短期でしか組むことができませんでした。

そのため、築年の古いマンションは需要が低く、取引価格も落ち着いていたはずです。今ではリノベーション費用が、物件購入と同じように35年ローンで組めるようになったため、改装に大きな費用をかけて自分仕様のマンションにする住まい方が浸透し、結果築古マンションの需要が高まったことが影響していると思います。

また、③の築年幅について、更に10年単位で区分した上昇率についても調べてみたところ、

③-1 2002年〜2012年に建築されたマンション
③-2 2013年〜2023年に〃
とします。

③-1は、40.9%(坪単価249万円から351万円へ上昇)
③-2は、57.0%(〃263万円から414万円〃)

であり、築10年未満の上昇率が特に高く、築後約10年〜20年の物件は、世田谷区全体と比較しても低い結果となりました。

いささかこの結果には驚き、理由も想像できないところではありす。しかしいずれにしても40%超の上昇率ではあります。

採用しているデータは、売却した方へのアンケート結果を基にしているようで、マーケットで取引されたすべてではないことをご承知おきください。

この情報が皆様のお役になれば嬉しく思います。


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