査定もAIなの!?
ニュースを見ていて、「AI」を聞かない日はないくらい日常になってきました。
AIは不動産業界にもやはり大きな影響を与えていて、業務効率化で役立っている面も大いにあります。
また、それと同時に不動産業界でもスピードが求められるシチュエーションが多くなっていることを感じます。
例えば、一括査定サービスです。今やスピード対応が必勝であるという観点から、査定依頼を受けた数分後には何十枚という査定書を遅れる体制が不動産会社側には整っています。
皆様も査定依頼をしたときに、実感されているかもしれません。
種明かしをしてしまうと、不動産業者向けに作られたAI査定サービスがいくつかありまして、中には45秒で査定ができる!と謳っているものもあり、売りはとにかく”早く分厚い”査定書が作れる、ということになっています。
物件を売却したい方からすると、査定結果が早くわかることは悪いことではないと思いますが、それより物件の良さをしっかり検証してもらって、高く売ってもらえることこそがゴールだと思うのです。
査定書の骨格としては、取引事例を比較して◯◯マンションがいくらで売れたから、査定対象物件は◯◯◯万円ですというロジックがベースになっています。
その意味では、どの査定書でも同じことを行っているわけですが、同じマンションの階数違いはいくら差をつけるのか?
査定対象物件より1年早く分譲された近隣マンションが売れた事例と査定対象物件とを比べていくらのをつけるのか?
住宅地では駅徒歩1分と3分の差はあまりありませんが、商業地の駅徒歩1分と3分は大きく違う、など。
近年のAI査定では、このような物件ごとの個別差を検証させることは難しく、単眼的な査定結果にどうしてもなってしまいます。
とにかく高く出してくれた会社がいい、とお考えになるかもしれませんが、AI査定では、高い事例を選択して査定すれば、高値の査定結果をいとも簡単に導き出すことができてしまいます。
高い査定額も大切ですが、大切な物件をどこまで深掘りして評価してくれているか、といった視点で査定書を見てみると、その現実性が見えてくるのではないかと思います。