価格の決まり方
査定価格を算出する指標について触れたいと思います。
私達は、査定をする際に「成約価格」「販売履歴」「売出し価格」の3つを指標にして査定額の検証を行います。
「成約価格」とは、文字通りですが、過去に実際に取引された事例価格のことです。
REINS(レインズ)といって、全国の不動産会社が利用できる情報共有のためのデータベースで、ここに過去の成約事例がストックされているため、別な不動産会社が取引した事例もここでわかるという仕組みになっています。
ただ、問題点としては、この成約情報登録は義務ではありませんので、すべての取引が網羅されていなく、情報が少ないという点です。
したがって、通常の不動産会社はこれの他に「販売履歴」を参考にします。これはインターネットに広告として公開されたものが蓄積されているので、水面下で取引された事例を除けば、ほぼ100%が網羅されている点で情報量が圧倒的に多いものです。
これら2つの事例を集めて、成約価格帯を想定しますが、最後の「売り出し価格」が最も重要で、これは今なお売却中の近隣事例のことをいいます。
つまり販売在庫物件とも言えますが、他の物件がいくらで売り出されているか、これが重要です。
近隣が高ければ、相対的に高い売り出し価格を設定することもできるでしょう。
不動産は、今売られているものの中での比較をされるものですから、過去にいくらで売れたというのはあくまで指標であって、現在いくら?がとてもとても重要です。
高めのチャレンジ価格が連続するとき相場が上昇していくことになるわけです。
ちなみに、2012年以降相場は上昇し続けていますが、世田谷区の土地相場は、2012年と比較して2023年現在は、6割弱も上昇しています。
(相場データは、国土交通省「土地総合情報システム」データより)