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2016-02-09

”おうちダイレクト”はどうか?〜続編〜


こんにちは、田実です。

昨日、ソニー×Yahoo!不動産の”おうちダイレクト”の記事を書きましたが、その後インタビュー記事がアップされているのを見かけたので、補足で記します。

以下、”stories”はインタビュアー、”吉元氏”は回答者(ソニー不動産社員)です。

「巨大な囲い込み」という批判にどう答えるか?

■「巨大な囲い込み」という批判にどう答えるか?
storie: 一部の業界関係者からは、「おうちダイレクト」でソニー不動産とヤフーが巨大な囲い込みの仕組みを築こうとしているのではないか、という批判がありますが。
吉元氏:「囲い込み」という言葉の解釈にもよりますが、不動産業界で一般的に言われている「囲い込み」というのは、「売主から買主の探索を委託されている仲介会社が、他社が連れてきた買主への物件紹介を断ること」を意味していると認識しています。今回の「おうちダイレクト」の試みは、そもそも売主は仲介会社に買主を探すことを委託せず、自らがヤフー不動産という大きなメディアを使って販売活動をやろうというもので、そもそも前提としている取引形態、販売活動の形が違います。
いわゆる業界の「囲い込み」とは異なるので、これはただの言いがかりだと思います。論点とすべきは、”ヤフー不動産という大きなメディアを使って販売する”という部分です。確かにYahoo!は大きなメディアですが、ヤフー不動産は別物だと思うからです。

家の購入を考える方は、suumo、home’sなどが主流ですから、このヤフー不動産に限って広告するという点が不安です。ヤフーオークションの不動産カテゴリーが充実しないのも、これと同じようにヤフー不動産媒体でしか広告できないことです。これではネット広告が意味ないな、と現状では思います。ヤフー不動産が、自宅購入のポータルサイトとして浸透してくれば別ですが…

買主にとってのメリットは?

■買主にとってのメリットは何か
storie: 買主にとってのメリットは何でしょうか。
吉元氏:(中略)買主にとってメリットは何かというと、「おうちダイレクト」で売られる物件は、ここにしかない物件だという点です。買主にとっては、価格を含む諸々の条件がその物件に見合うかどうかが、意思決定の最大の要素だと考えられます。今までは出てこなかったような物件がどんどん出てくるようになれば、これまで市場で出なかったという意味での特別な物件の供給が増えることを意味します。その点が買主にとっての最大のメリットと考えます。

やはり、おうちダイレクトという媒体が世間に浸透することが前提のようです。希少性の高い物件が、言い方を変えて、ここでしか買えないような物件が集まれば、わざわざこのサイトに訪れる価値がある、と言えます。が”言うは易し”です。

改めて所見

いま時点ではヤフー不動産で家を探すことがポピュラーでないので、売主にとって最適な販売方法とは言えない。

今後、おうちダイレクトに価値が出てくる条件は、ヤフー不動産が媒体としてポピュラーになることと。そして、ここでしか買えない希少物件が集まっていること。しかし、希少価値のある不動産を買う文化があまりないので、今後活発になるとは考えにくいです。

中間層のニーズを掴まないとポピュラーにならないですが、中間層は”普通の家”を買う傾向が今後も続くと考えるからです。

わたし自身勤務時代に、ヤフー不動産が浸透しないのを痛感している身なもので、難しいな〜と思った所存ですm(_ _)m


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