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2020-03-30

“店舗探し”で学ぶ交渉術 -心構え編-


前回は、店舗探しにおける交渉術第1回として、先方と当方互いの条件面の優先順位について交渉の冒頭で確認していく作業が大切だという話をしました。

前回記事『店舗探し代行の交渉術①

今回は、「心構え編」として、交渉段階に入る前の”姿勢”や”コミュニケーション上の注意点”など、気をつけていなければならないことについて触れたいと思います。

ヨイショし過ぎない

まずひとつめは、「取引相手(貸し手)を必要以上に持ち上げないこと」です。

不動産賃貸取引における、オーナー(貸し手)とテナント(借り手)の力関係とは、オーナー側に偏っていることが多いです。特にロケーションの良い物件であれば、なおさらオーナーは、”テナントを選べる”という立場にあるものです。

選べる立場にある者は、持ち上げられることに慣れており、持ち上げられたから商談が進めようというように前向きに働くことは基本的にありません。むしろ調子がいい人(会社)という印象を与えかねません。

不動産オーナーは、安定志向である方が多く、耳触りのいい言葉よりも堅実な会社の方を好まれます。賃貸業をするオーナーにとって望ましい借り手とは、長期的に借りてくれることですから、借り手の事業の安定性を特に重視します。

駆け出しの営業マンによくありがちな、相手の意見に迎合するような軽い姿勢は絶対に避けなくてはなりません。

過度な期待を持たせない

次に大切なことは、条件交渉の過程で、無意味な期待感を持たせる発言をしないことです。

例えば、坪あたり賃料20,000円が上限の懐事情であるのに、「坪20,000円を超えられるよう頑張ります(or 社内で一度協議してみます)!」というように、期待を抱かせてしまうやり取りです。

人間の心理は、獲得できる利益よりも、得られると思っていた利益がなくなる損失の方が大きく感じる性質があります。一度でも、利益を得られると思ったものが、獲得できなかったときのモチベーションダウンは、そもそも期待をもたせることがなければなかった、無意味な感情です。

かといって、小刻みに条件を譲歩していてく(例えば、徐々に提示賃料を上げていく)ことも逆効果です。

あくまで、事業計画を正確に見積もった上での条件を提示し、さらにその理由や背景も付け加えることが大切です。

交渉に臨む前の心構えとして大切なことは、①相手を不要に持ち上げることなく、誠実に接すること ②無駄な期待感を与えないこと です。

堅実でかつ誠実な借り手を不動産オーナーは好まれる、ということを知って臨まなければなりません。

弊社では、店舗物件をお探しするお客様の代理人となり、物件を探して契約締結まで行う業務を行っております。公開された物件情報には、優良な物件が少なく非公開の物件を探してくることが、早期に見つける鍵となります。


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