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2016-02-08

”おうちダイレクト”は最善か?


こんにちは、田実です。
最近は日が長くなってきましたね。

さて、今回は不動産仲介業の新しいサービスについて感じるところを書きたいと思います。売買業界では、ソニー不動産×Yahoo!の”おうちダイレクト”ですし、賃貸では”ノマド”が真新しいですが、いずれも手数料無料が売りです。

基本的には、現状業界に浸透している手数料を下げる、という共通点ですね。

おうちダイレクト

オーナーが仲介業者へ依頼せず、Yahoo!の媒体を利用して売却活動をするというもの。通常は、仲介業者が査定をして、仲介業者負担で広告宣伝を行って買主を募りますが、おうちダイレクトの場合はオーナーが価格を決めます。ネット広告は、どうやらこのサイトにしか載らないようなので、当サイト掲載負担は、Yahoo!側のサービスにインクルードされていることでしょう。

今日の時点で、売却物件は全部で26件です。現在は、不動産は売り手市場ですから、多少の手数料を負担したとしても広く購入希望者の目に触れることが高値売却のセオリーです。投資言葉で”タダ飯はない”という言葉があるように、高値売却にはそれ相応の負担が必要だと感じるところです。

26件を見てみると、相場より高い印象を受けます。手数料負担もなく、かつ高く売り抜けるのは結構厳しいかと。それを考えると、ここでしか買えないなにか(物件の希少性とかずば抜けたサービス)が欲しいですね。なんでしょう??不動産は、極論仲介者によって価値が変わるものではないですから、ずば抜けたサービスってことも厳しいでしょう。

ノマド

賃貸物件を借りる方向け(売買も一部あり)の新業態で、仲介手数料無料でその代わりの月額費用がかかる仕組みのようです。早く決まれば決まるほど、安く済む。その他の手数料は案内毎(案内3時間約1,000円)という仕組み。

借りる側の費用を安くするのは今求められていると思います。わたしも買う側・借りる側のコストを下げるというベクトルを持っているので共感できる部分です。しかし、問題がありそうなのは、この会社にどれだけの物件が集まるかです。

賃貸の空き部屋情報は、オーナーから物元業者へ、物元業者が仲介業者向けもしくはユーザー向けに広告することで、広まっていくものです。仲介業者向けの情報サイトはREINS(レインズ)といって、免許業者なら誰でも見れるものです。これに登録することで業者向けに広報されますが、賃貸物件はボリュームが多いので、このレインズに登録しないということが起こります。また「いい物件だから自分たちで決めてしまおう」と意識的に掲載しない場合もあります。

業法上、賃貸は媒介契約の義務がないため、一社単独で仲介が依頼されていても、レインズに登録する義務がないためです。そうなってくると、エンドユーザー向けのHOMESやsuumo、athomeにまでノマド側で物件情報の確認をして、ユーザーに紹介しないと情報に偏りがあることになります。

そうなっってくると、結局ユーザー側がエンドサイトで見つけたものを、同社へ持ち込んで手数料を安くすませるという流れが現実かと思います。結局は、ユーザーが自身で物件を探さなくてはならないという手間がかかりますし、手数料を下げてお客さんを集めようとすると、同社経由では紹介させないという問題が出てるかと思います。

これまでも、手数料1ヶ月の物元業者は、50%業者(ミニミニ・エイブルなど)から問い合わせが来ても紹介しないというのが現状です。

まとめ

ユーザーの負担が軽くなるという点でどちらもいいサービスと思いますが、完璧とは言えないです。不動産は、価格比較サイトで扱うような量産されるものではないため、流通しているすべてを比較して、一番安いところで借りる、というのはそもそも無理なんでしょう。ポジション的には弊社も客付け業者ですから、ノマドと同じように全ての物件が紹介できるわけではないのです。しかし、これはどのポジション(物元でも客付けでも)の会社でも同じことですが、、、ノマドだけが完璧じゃないと言っているわけではありません、念のため。


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