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2020-03-11

空室が決まらない…には、必ず理由がある。


空室が決まらないのは、何かしらの理由が必ずあります。

これから、なぜ決まらないのか? 決まる物件にするために何を考えなければいけないのか? について、掘り下げて考えていけたらと思います。長期空室(3ヶ月以上空室)物件でお悩みのオーナー様が、対策を立てるきっかけになればと思います。

言うまでなく、空室状態の物件のゴールは、「契約(成約)」です。では、契約するためには何がどうなると成立するのでしょうか?

成約=案内×申込

まず、お部屋を“見学してもらう”ことが必須ですね。部屋を見ないで決めるという方は、転勤者のごく一部の人に限られますから、お部屋探しをしている方に、物件を“内見”してもらうことが必要なフローになります。

次に必要なことは“申込み”ですね。いくら物件を内見してくれても、入居申込みに至らなければ成約とはなりません。

つまり、空室が決まるには、“案内”と“申込み“が必要です。これを避けて成約になることはレアケースを除いてないと言えます。これは、”成約”を因数分解すると、”案内”と”申込”に分けられた、ということが言えるでしょう。

【成約=案内×申込】

ごく当たり前のことですが、当たり前のことが不動産経営には本当に重要で す。

では、ここで質問ですが、お持ちの空室物件には、案内が入っているでしょうか? もしもこの質問に答えられないとしたら、少しでも早く把握する動きを取らなければなりません。

不動産会社の担当者さんを捕まえて、先週は何件案内が入ったのかを確認しましょう。決して高圧的に問い詰めるのではなく、状況を把握したいという意思を持って、ヒアリングする気持ちで接することです。

案内=告知 × 適正な条件設定 × 案内障壁ゼロ

次の因数分解に進みます。”案内”と”申込”、どちらがかけても成約にはなりません。案内回数が増えれば、成約率が高まることは想像できると思います。では、案内されるために必要な要素とは何でしょうか?

案内とは「仲介店の営業さんがお客様を連れて案内する」という行動のことです。つまり仲介店の営業さんが“案内したい物件”と思うことが必須です。

では、案内したい物件とはどのようなものでしょうか? 募集条件(賃料設定)が適正であること、そして案内がスムーズに行えることなどが必要なことだと言えます。 そして、その情報がたくさんの営業担当者に届いていることも必要な条件です。

ここまでのことをまとめると、案内されるまでには、①空室情報がしかるべき仲介業者に届いていること ②賃料設定が適正であること ③案内が容易にできることの3点が欠かせず、どれがかけても“成約”には至らないことがわかります。

【案内=①告知(広告)×②適正な条件設定×③案内障壁ゼロ】

ここで例え話ですが、わたしは広島県が創業店の八天堂の“くりーむパン”が大好きです。くりーむパンは、ひとつ230円(今日現在)しますが、倍の値段したら買うことはないです。これは、賃料設定が適正であることと同じことです。

八天堂の店舗は、都内にいくつかあります。仮に広島にしか店舗がないとしたらどうでしょう? さすがに230円の品物を購入しに広島に行くことはしません。都内の買いやすい場所にあるから買いに行こうと思えます。これは、案内するために営業マンが容易に行動できるか?(③案内障壁ゼロ)ということと同じことです。

最後に、八天堂のくりーむパン自体を知っていなければ、購入しようとすら思えません。八天堂は、百貨店の催事場やJRの駅構内などの一部スペースで出店(でみせ)販売をしていた時期がありました。通りがかりの出店(でみせ)を見かけなかったら、その存在自体を知ることがありません。これは言うまでもありませんが、空室情報が仲介業者に知れ渡っているかということ(①告知)と同じことだと言えます。

[参考] 案内障壁ってなにか?『案内が入らないときのチェックポイント 内見するためのハードルがないか?』こちらも合わせて参考にしてください。

したがって、

  • 空室情報がどこかに滞留していたら案内される確率が減ります
  • 空室情報はすべての仲介業者とすべての賃貸希望者に広告されていなければ決まりが遅くなります。
  • 賃料設定が適正でなければ、案内が入りません。
  • 賃料設定が適正であっても、案内するのに手間が多ければ営業マンは案内したがりません。
  • 賃料が適正で、案内に手間がかからない物件であっても、物元業者が囲い込み(抱え込み)していては、募集窓口は1社のみです。
  • 賃料が適正で、案内に手間がかからない物件であっても、物元業者が土日定休日であれば案内する機会を逸しています。
  • 賃料が適正で、案内に手間がかからない物件であっても、他の物件の方がインセンティブ(成約報酬)が高ければ営業マンはプッシュしてくれません。

という風に“案内回数を増やして申込みの確率を上げる”ためには、分解して考えること。どこに問題があるのかを細かく把握しておくことが必須なことになります。

これまでに挙げたことは考えるためのポイントです。その要点ごとに更に完成度を高めていくことが大切です。あくまで空室が決まらない理由を深堀りするための要点です。

当たり前のようなことですが、このような思考を横方向にも縦方向にも広げて考えていくことが、不動産経営成功の近道だと思います。がんばっていきましょう!

[参考記事] 適正な条件設定には、賃料設定と敷金礼金設定がポイントです。賃料設定の考え方については『決まる賃料設定のポイント! より多く・より早く、人の目に止まるかという視点で設定する』をあわせてご参考にしてください。

[参考記事] 敷金礼金の設定ポイントについては『賃貸オーナー必見 敷金・礼金の設定ポイントは?』あわせてご参考にしてください。

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