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2020-02-11

店舗・事務所の対賃料増額交渉 ①


この数年の賃料上昇トレンドは、近年まれにみる増加率です。特に都心オフィスについては、オーナーがプロ(三井系・住友系・三菱地所など)であり、契約形態が定期借家契約であるため、強気に交渉されているとケースがほとんどです。

相談事例は、クライアント様の本社オフィスの賃料について、15%増の増額交渉でした。定期借家契約、期間3年で結ばれており、今回の再契約の前(3年前)にもやはり増額している経緯があります。

3年前は8%増で、今回は15%増とおよそ倍の増額交渉です。オフィス賃料は、住宅賃料と異なり、景気による増減が著しいものなので、増額自体に応じるのは致し方ないでしょう。また、定期借家契約ですので、賃料に合意が得られなければ、期間満了により解約となる恐れを含んでいるので、交渉はややオーナーサイドにイニシアチブがある状況であると言わざるを得ません。

弊社では、オフィス賃料について公開されているデータを利用して反証することをご提案しました。当該物件の所在する行政区(例、千代田区)の平均賃料推移について調べ、前回再契約時(3年前)の増加率(2013→2016)と比べて、2016→2019年の賃料増加率が、それより低いことがわかりました。

次に調べたのは当該ビル全体の稼働状況です。空き区画があるのか?どの程度稼働しているのか?についてです。満室の状態であれば、オーナーの強気の姿勢は裏付けられますし、虫食い状態であればその逆です。

結果的には、増加はしたものの大きくディスカウントして合意に至ることができたとご報告がありました。

いくばくかの増加には応じましがが、相場に比べて決して高い単価とは言えない水準でした。強硬な姿勢を貫いて、移転を強いられるとなれば、それはまた別なコストが発生するものです。

相場の上昇トレンドにある今は、多少の負担増は否めません。しかし、言いなりにならぬよう対策を講じることが大切です。

弊社は、企業様の社外不動産部として、守り面をサポートする不動産顧問業務の委託を受けております。クライアント様が本業に専念できるよう、物件管理マネジメントを弊社が代行いたします。本業の事業利益拡大化を、パートナーとして全力でサポートさせていただきます。


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