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2019-09-21

専任媒介より一般媒介!絶対に不動産業者からは聞けないベストで唯一の売却方法とは?

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街並みを上空から撮影している写真

不動産の売却相談をするとき、営業担当は必ず「専任媒介でお願いします!」とセールスしてくるでしょう。では、果たして”専任媒介”が売る側にとって本当にベストな方法なのでしょうか。答えは”No”です。実際私も仲介営業マンだった時(勤務時代)は確かに専任媒介がベスト、だと営業していました。しかし、仲介という立場ではなくコンサルの立場から言えるのは”一般媒介”がベストです。その理由は専任媒介だと”囲い込み”されてしまうからです。

囲い込みとは?

囲い込みとは、売り側業者が他の不動産業者を通した物件紹介を拒み、自社にくる問い合わせ客にしか物件案内させないことを言います。よく「不動産業界は中でつながっているからひとつの会社に依頼すればすべての業者に紹介してもらえる」と聞いたことありませんか?建前はそうですが実際はそうではありません。なぜこのようなことが起きるのか?それは”両手取引”を狙うためです。

両手取引とは?

売買仲介取引で発生する仲介手数料は売主と買主の両者がそれぞれ負担します。売主は売却を依頼した業者に、買主は購入の依頼をした業者にです。これは取引成立に2社が介在した場合ですが1社の場合は双方から受領するため報酬は倍となります。ひとつの物件が売買成立する際に1社しか介在しない場合を”両手取引”と業界内では呼んでいます。

囲い込みについては、雑誌「東洋経済」で取り上げられ、またニュース番組「WBS」でも取り上げられました。詳しく知りたい方は「囲い込み」や「囲い込み WBS」などYouTubeで検索すれば詳しい動画が出てきますので確認してみてください。

なぜ囲い込みが起きるのか?

業者数が多すぎ業者間の競争が熾烈であるのが主因だと私は思います。

例えば私自身が勤務時代に課されていた業績は年間合計15億分の成約です。毎月1.25億つまり毎週3千万円超の物件を契約し続けなくてはならない数字です。私の会社は東証一部の上場企業でしたがこれでも業界基準で高いノルマでは決してありません。

ところでこのすべての契約を両手取引にできたとしたらどうなるでしょう?毎週でなく2週に一度のペースに3千万クラスの物件を成約すればいいことになりますね。これが物件の囲い込みが生じる根本の理由です。

不動産仲介業は労働集約型であり、営業担当者それを支えるバックオフィスの事務員と数多く人材を抱える業種です。また駅前路面店などの高額賃料も重なり経費をカバーするためそしてエリアシェアを高めるためととかく人員が必要です。すべての営業マンが稼げるわけではありませんから一人あたりの営業ノルマが高くなるのが理解できるかと思います。

囲い込みのデメリットとは?

それは広く物件情報が公開されないことによる機会損失です。売主としては購入してくれる人がひとり見つかればゴールです。このひとりを見つけるために公開範囲が限られることがどれだけのデメリットになるかは想像に難くないと思います。

物件を購入を検討される方の背景は様々なものがあります。社宅を出る、結婚、家族が増えた、介護、離婚、セカンドハウス、海外赴任から帰国、リタイヤ…など。売却する方はその物件の近くに店舗を持つ業者に依頼することが多いと思いますが、購入希望者がその業者へ辿り着くとは限りません。

今はネットで広い地域で物件探しする方が大多数であり、囲い込みされることがどれだけ成約から遠ざかっているか売主さんが気づいていないことはとても残念なことです。

囲い込み以外の”専任媒介”のデメリットは?

情報をクローズできることで専任業者の販売活動に緊張感が薄れることです。1社単独でコントロール出来てしまう状況では他社に追い越されるという危機感がありません。

一般媒介(2社以上に依頼できる媒介契約方法)の場合、のんびりしていれば他の業者が成約してしまうことになります。自然なことと言えるでしょう。

あの手この手を使った”囲い込み”手段

囲い込みは売却委任を受けている業者(「物元(ぶつもと)」と言います)の担当者があの手この手を使って、案内を阻止することにより行われます。

例えば、
「『物が散らかっていて今は見せられる状況でない』と売主さんから言われている」
「残置物が貴重品なので、売主さん立ち会いのもとでないと案内できない」
「売主さんは海外の方で数週間本国に戻っていて連絡の返事が遅いから案内の段取りができない」
「売主さんは売り急いでいない、しかし私(営業担当者)がそこを無理言って預かったので(居住中の)売主さんは週末は出かけてしまって案内ができない」
「売主さんは旅行に出かけていてしばらく案内ができない」
etc…

これらは私が実際に言われたことのある断り文句ですが、とにかく売主さんを悪者あるいは売主事情であることを盾にして案内を阻止するのが”囲い込み”の常套手段となっています。。さらに営業担当者は他業者からの案内申し入れに対し、横柄な態度はせずとても紳士的に対応してくるあたり、相当に慣れた手口と言わざるを得ません。。

むろん”囲い込み”は明らかな宅建業法(宅地建物取引業法)違反ですが、このようなあの手この手の口八丁により案内を阻止することで”囲い込み”状況を作っているわけです。

売却セールス担当の”専任PR”の数々

営業担当は売却相談者の「専任にすべきか一般にすべきか?」の問いには慣れているため、専任媒介のメリットや一般媒介に対するデメリットトークについて数多く用意しています。

「専任でないと社内で広告予算が承認されない、新聞折込チラシができない」
「一般媒介では物件情報が各社から出されてしまい、晒し(さらし)物件になってしまいますよ」
「一般媒介ではタダ働きになる恐れがあるため、社内の雰囲気として注力した販売活動ができない」

このようなトークを巧みに揃え一般媒介を回避してくるでしょう。

とにかく委任を取るのが売買仲介店の基本戦略

一般媒介では業者は注力しない、というのは関東圏に限ってはありえません。なぜなら常に売却物件(=商品)が不足しているからです。

一般的に”購入検討者”は担当者やその会社の知名度に関係なく、いい物件を扱っている業者で頼むことがほとんどです。業者側とすると一生懸命に探しても他の業者で決まってしまう恐れが高いので、基本的に”購入検討者”より”売却物件”の委任を取ることを主戦略としています。その方が業績の組み立てがしやすいからです。

兎にも角にも”委任獲得(=売却物件を集める)”が至上命題なので、一般媒介だからといって手を抜くことはありません。例外として、商品として魅力が低い物件(売却希望値が高すぎる、物件が古く管理状態もよくない、など)の場合は、一般媒介は向きません。

まず高値で専任を取ってから価格下げ交渉

あえて希望額※1で専任を取ってから、3ヶ月後に価格改定を持ちかけるという方法も常套手段です。これを業界では”値熟し(ねごなし)”と言います。
※1 相場から1割以上超える売出し価格は一般的に高値設定と言えるでしょう。

「でもやはり”一般媒介”では安売りしているようで嫌だ」という意見

それは3社以上に媒介を頼んでしまうからです、依頼するのは厳選した2社に限ります。多く頼めば頼むほどそれぞれの会社が広告媒体(WEB媒体、折込・投げ込みチラシなどの紙媒体)に掲載するため”希少性”が薄れてしまいます。これは絶対に避けなければならないことです。不動産は鮮度が非常に重要ですので、公開されて間もないのに”よく見かける物件”であってはなりません。しつこいですが”一般媒介2社”が超重要です。

一般媒介2社はどうやって決める?

これはエリアによりケースバイケースですが、大手仲介業者(三井・野村・東急系)の中から1社選ぶのはセオリーでしょう(エリアによります)。基本的にはそのエリアのトップシェア上位2社を選ぶことです。ライバル心を煽るのがベストです。

とはいってもベストな売り方は様々です

なぜなら”売却理由”によって最善の選択が異なるからです。売却希望時期(売り急ぎかロングスパンか?)と物件種別(土地・マンション・戸建て・収益物件)によって販売戦略は異なってきます。業界に約20年いる経験上”囲い込み”は横行しているので、”囲い込み”しない完全なシステムがあれば専任が望ましいでしょう、それは売主の販売代理人となりうるからです。

まとめ

  1. 専任媒介だと物元業者は必ず”囲い込み”する。
  2. ”囲い込み”は機会損失、購入検討者はそのエリアに限らず広範囲で検討している
  3. 今の業界システム上、専任では”囲い込み”の実体が見えないのでやりたい放題
  4. 専任媒介では他に持っていかれる緊張感が薄れる
  5. 情報の非対称性は著しく業界側に偏っていて一般ユーザーは営業マンの言いなり
  6. ”購入希望者>売却物件” 圧倒的に購入希望者のが多いため一般媒介でも売却を取ることが業界の主戦略(≒売り物件があれば希望者が寄ってくる)
  7. 一般媒介は”エリアトップシェアの2社”がセオリー
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